自己破産してもできること|誤解されがちな制限を解説

「自己破産したら、選挙権がなくなって戸籍に傷がつくの?」
「もう二度とアパートは借りられないし、海外旅行にも行けないの?」
「家族や子供の将来にまで、影響が出てしまうんじゃ…」
自己破産を考えたとき、多くの方が「できなくなること」ばかりに目を向け、事実ではない噂や誤解によって、必要以上に不安を感じてしまっています。
しかし、自己破産はあなたの人生を罰するための制度ではありません。経済的に立ち直る機会を与えるための、法律で認められた救済制度です。そのため、自己破産をしても、あなたの基本的な権利や、人間らしい生活を送る自由が奪われることはありません。
この記事では、自己破産をしても「できること」「変わらないこと」に焦点を当て、世間で広まっている誤解を解きながら、その真実を、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。
【結論】自己破産後も、あなたの基本的な権利や生活は守られます
先に結論からお伝えします。自己破産によって生じる制限は、その多くが財産や新たな借入れに関する経済的な側面に限定されており、しかも「一時的」なものです。
選挙権がなくなったり、戸籍に記録が残ったり、ご家族の信用情報に影響が出たりすることは一切ありません。破産法の第一条にも「経済生活の再生の機会の確保」が目的であると明記されており、あなたの再出発を社会的に妨げるような制度にはなっていないのです。
【生活編】自己破産しても「できること」
日常生活に関わることで、誤解されがちな点を解説します。
1. 賃貸物件に住み続ける・新たに借りる
家賃を滞納していない限り、自己破産を理由に、今住んでいるアパートやマンションを追い出されることは原則ありません。また、新たに賃貸物件を借りることも可能です。ただし、一部の信販系の保証会社が審査に通らない場合があるため、物件選びに工夫が必要になるケースはあります。
2. 銀行口座の開設・利用
自己破産をしても、銀行口座を新たに開設したり、給与の受け取りなどで利用し続けることは全く問題ありません。生活に不可欠なインフラは守られます。(※破産する銀行の口座に預金があると凍結される場合はあります)
3. 携帯電話(スマホ)を持ち続ける
本体代金の分割払いが残っておらず、月々の通信料をきちんと支払っていれば、携帯電話を解約されることはありません。そのまま使い続けることができます。
4. 海外旅行に行く
手続きが「管財事件」になった場合、手続き中の数ヶ月~1年程度は裁判所の許可が必要ですが、手続きが完了すれば、パスポートの取得や海外への渡航は完全に自由です。
【仕事・お金編】自己破産しても「できること」
仕事やお金の面でも、過度な心配は不要です。
1. 働き続ける・転職する
自己破産したことは原則的に解雇理由になりませんので、会社があなたを解雇したばあい、解雇無効となる可能性が高いでしょう。また、手続き後に新しい仕事を探すことも、もちろん自由です。
2. 給料を受け取り、自由に使う
破産手続の開始決定後に得た収入は「新得財産(しんとくざいさん)」と呼ばれ、すべてあなたのものです。差し押さえられたり、返済に充てられたりすることなく、生活費として自由に使うことができます。
3. 財産を持つ・貯金する
手続きが完了した後に、努力して築いた財産や貯金が、後から没収されるようなことは一切ありません。再スタート後のあなたの財産は、法律によってきちんと守られます。
【権利・家族編】自己破産しても「変わらないこと」
自己破産に関して、最も誤解の多いのが、基本的な人権やご家族への影響です。以下のことは、自己破産をしても全く変わりませんのでご安心ください。
- 選挙権はなくならない
選挙で投票する権利も、立候補する権利も、失われることは一切ありません。 - 戸籍や住民票には記載されない
自己破産の事実が、あなたの戸籍や住民票といった公的な身分証明書に記載されることは絶対にありません。 - 家族の信用情報には影響しない
信用情報は完全に個人のものです。あなたが自己破産をしても、配偶者やお子様、ご両親の信用情報に傷がつくことはなく、ローンやクレジットカードの契約に影響はありません。(ご家族が保証人になっている場合を除く) - 家族の進学・就職・結婚に影響しない
自己破産が、お子様の進学や就職、結婚の際に法的な障害となることは一切ありません。
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広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。相続事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、多角的な視点から依頼者の最善となるような解決を目指すことを信念としています。
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員