「自己破産をすると、約5年~7年はクレジットカードが作れないと聞いた…」
「キャッシュレス決済が当たり前の今、カードが一切持てないのは不便すぎる…」
自己破産後の生活における大きな不安の一つが、決済手段の問題です。クレジットカードが利用できなくなることで、ネットショッピングや日々のお支払いに不便を感じるのではないかと心配されるのは当然のことです。
ご安心ください。自己破産の手続き中や手続き後であっても、デビットカードは作ることができます。なぜなら、デビットカードの発行には、原則として信用情報(ブラックリスト)の審査がないからです。
この記事では、なぜ自己破産をしてもデビットカードが作れるのか、その仕組みと、クレジットカードが持てない期間を賢く乗り切るためのデビットカード活用術について、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。
なぜ自己破産してもデビットカードは作れるのか?
デビットカードが作れる理由は、クレジットカードとの仕組みの根本的な違いにあります。
- クレジットカード:あなたの「信用(クレジット)」を担保に、カード会社が代金を一時的に立て替え払いする「後払い(借金)」の仕組みです。そのため、申込時には必ず信用情報に基づく厳しい審査があります。
- デビットカード:利用した瞬間に、あなたの銀行口座から代金が「即時引き落とし」される仕組みです。口座残高の範囲内でしか利用できず、借金は発生しません。
このように、デビットカードは銀行にとって貸し倒れのリスクがないため、発行にあたって信用情報(ブラックリスト)の照会が行われないのです。そのため、自己破産の手続きをした方でも、問題なく作成・利用することができます。
デビットカードのメリットとデメリット
デビットカードは、自己破産後の生活再建において非常に心強い味方となりますが、メリットとデメリットの両方を理解しておきましょう。
デビットカードのメリット
- 審査なしで誰でも作れる:銀行口座さえあれば、基本的に誰でも発行できます。
- クレジットカードのように使える:VISA、Mastercard、JCBといった国際ブランドが付いているものが多く、クレジットカードが使えるほとんどの店舗やネットショップで利用可能です。
- 使いすぎを防げる:口座残高以上は使えないため、現金感覚で支出を管理でき、再び借金を抱えるリスクを防ぎます。
- ポイント還元などもある:最近では、クレジットカードに見劣りしないポイント還元率やキャッシュバック特典が付いたデビットカードも増えています。
デビットカードのデメリット
- 分割払いやリボ払いはできない:支払いは一括払いのみです。
- ETCカードが発行できない:ほとんどのデビットカードでは、ETCカードを追加発行することはできません。
- 一部のサービスで利用できない場合がある:高速道路料金や一部のガソリンスタンド、公共料金の月次決済など、即時引き落としに対応していない一部のサービスでは利用できないことがあります。
自己破産後のデビットカード選びと注意点
デビットカードを作る際には、いくつか注意点があります。
- 借金のあった銀行は避ける:自己破産の際に債権者だった銀行のデビットカードを申し込むと、銀行の内部情報(いわゆる社内ブラック)を理由に、口座開設やカード発行を断られる可能性があります。なるべく、これまで取引のなかった銀行で新しい口座を作り、デビットカードを申し込みましょう。
- 口座の凍結リスクを理解する:デビットカードに紐づける銀行口座は、当然ながら借金のない銀行の口座にしてください。借入先銀行の口座は、自己破産手続き開始時に凍結され、預金と借金が相殺されるリスクがあります。
自己破産後の生活において、デビットカードは現金管理の習慣を身につけながら、キャッシュレスの利便性を享受できる最適なツールです。クレジットカードがなくても不便を感じることはほとんどありませんので、ご安心ください。
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