「自己破産の手続きは、人によって期間が違うと聞いたけど、何が原因なの?」
「自分の場合、手続きは長引いてしまうのだろうか…」
自己破産にかかる期間は、早い方で4ヶ月程度、長い方では1年以上と大きな幅があります。ご自身のケースがどのくらいかかるのか、見通しが立たないと不安になりますよね。
手続きが長引くのには、必ず明確な理由があります。そして、その多くは、財産や借金の状況が複雑で、裁判所や破産管財人による慎重な調査が必要となる「管財事件」に該当するケースです。この記事では、自己破産の手続きが長期化する具体的なケースを7つ挙げ、その理由と対処法について専門家が詳しく解説します。ご自身の状況が当てはまるか事前に知っておくことで、心構えができ、対策を立てることも可能になります。税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。
自己破産が長期化する具体的な7つのケース
自己破産の手続き期間を左右する、主な要因は以下の通りです。
ケース1:不動産や株式など、評価・売却が難しい財産がある
ご自宅などの不動産、株式、ゴルフ会員権、解約に時間のかかる保険など、現金化(換価)に手間のかかる財産をお持ちの場合、手続きは長期化します。
【理由】破産管財人が、それぞれの財産の価値を正確に評価(査定)し、買い手を見つけて売却し、お金に換えるまでには相応の時間がかかるためです。不動産の売却活動などが長引けば、その分だけ手続きの完了も延びていきます。
ケース2:借金の原因がギャンブルや浪費である
パチンコや競馬、FX・株式投資での失敗、ブランド品の購入や高額な飲食といった浪費が借金の主な原因である場合、手続きは慎重に進められ、長引く傾向にあります。
【理由】これらは「免責不許可事由」に該当するため、破産管財人は、お金の流れを詳細に調査し、本人が十分に反省しているか、生活再建の意欲があるかを厳しくチェックする必要があります。その調査と判断に時間を要するためです。
ケース3:個人事業主・法人経営者である
ご自身で事業を営んでいた方や、会社の代表者であった方の自己破産は、一般の会社員の方に比べて複雑になり、期間も長くなります。
【理由】事業用の資産(在庫、機械、売掛金など)の処分や、事業と個人の財産の明確な切り分け、複雑な会計処理が必要となるためです。従業員や取引先への対応も発生し、全体のプロセスが複雑化します。
ケース4:財産隠しや虚偽の申告が疑われる
これは、手続きを不必要に長引かせる最大の原因であり、絶対にやってはいけない行為です。申告すべき財産を意図的に隠したり、借金の経緯について嘘をついたりすると、管財人はその疑いを徹底的に調査します。
【理由】管財人は、預金口座の取引履歴の精査や、場合によっては親族の口座調査など、通常よりも遥かに詳細な調査を行います。この調査に多大な時間がかかる上、悪質と判断されれば免責不許可という最悪の結果を招きます。
ケース5:過払い金の返還請求が難航している
過去に払い過ぎた利息(過払い金)がある場合、それはあなたの財産として扱われ、破産管財人が債権者に配当する原資となります。弁護士が貸金業者に返還請求を行いますが、業者がすんなり支払いに応じないケースがあります。
【理由】過払い金の金額に争いがあり、裁判(訴訟)に発展した場合、判決が出るまでに半年から1年以上かかることもあります。その間は財産を確定できないため、破産手続きも完了しません。
ケース6:申立人本人の協力が得られない
手続きをスムーズに進めるには、ご本人の協力が不可欠です。必要書類の提出が遅れたり、弁護士や管財人からの連絡に応じなかったりすると、手続きは停滞します。
【理由】弁護士や管財人は、ご本人から提供される情報や資料を基に手続きを進めます。協力が得られなければ、すべてのプロセスがストップしてしまいます。信頼関係が築けず、弁護士が辞任するような事態になれば、さらに長期化は避けられません。
ケース7:裁判所が混雑している
これは外的要因ですが、特に都市部の裁判所では破産事件の件数が多く、債権者集会などの期日が数ヶ月先まで埋まっていることがあります。これにより、物理的に手続きが長引いてしまうケースもあります。
重要:手続きが長引いても、取り立ては止まったままです
ご自身のケースが「長引くケース」に当てはまり、不安に感じたかもしれません。しかし、最も重要なことを思い出してください。弁護士に依頼し、受任通知が債権者に届いた時点で、厳しい取り立てや返済は完全にストップしています。手続き期間がどれだけ長くなっても、その間、あなたが返済に追われることはありません。安心して生活の立て直しに専念してください。
当事務所は、皆様の複雑な自己破産・債務整理問題を解決するために、他にはない強みを持っています。
①1972年創立、所属弁護士数約100名の実績と経験
1972年の創立以来、半世紀にわたり数多くの破産・債務整理案件を手掛けてまいりました。約100名の弁護士が所属しており、それぞれの事案で蓄積された豊富な判例知識と実務経験を基に、最適な解決策をご提案します。
②税理士・司法書士有資格の弁護士が対応
破産問題、特に不動産や多額の財産が関わるケースでは、税務の視点が欠かせません。当事務所横須賀支店には、税理士・司法書士有資格の弁護士が在籍しています。法務と税務、登記の全方面から多角的なアドバイスをして最善の解決を目指します。
③グループ内で連携したワンストップサービス
当事務所は、司法書士、税理士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、不動産仲介業者がグループ内に存在するため、各専門家と緊密に連携し、あらゆる手続きをワンストップでサポートすることが可能です。
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