【Q&A】個人再生の「清算価値保障原則」とは何ですか?財産が多いと返済額が増えるのはなぜ?
A. 「仮に自己破産した場合に債権者に配当されるはずの金額(清算価値)以上は、個人再生でも返さなければならない」という原則です。このため、財産が多い方は最低弁済額より返済額が増えることがあります。
個人再生の弁済額は「借金総額の5分の1などに減る」と説明されることが多いのですが、実際には財産の額によって結論が大きく変わります。その鍵となるのが清算価値保障原則(せいさんかちほしょうげんそく)です。
弁済額は「3つの基準の最大値」で決まります
個人再生で実際に返す金額は、次の3つのうち最も高い額以上となります。
- 最低弁済額: 借金総額に応じた法定の基準(例: 500万円以下なら100万円)
- 清算価値: 保有する財産の評価額の合計
- 可処分所得の2年分: 給与所得者等再生を選んだ場合のみ
例えば借金400万円(最低弁済額100万円)の方が、評価額150万円の財産を持っていれば、返済額は150万円以上になります。「破産されれば150万円分の配当を受けられたはずの債権者が、再生だと100万円しか受け取れない」という不公平を防ぐための仕組みです。
清算価値に入る財産の例
預貯金・現金のほか、見落としやすいものとして、退職金見込額の一部(自己都合退職の8分の1目安)、生命保険の解約返戻金、自動車、持ち家の余剰価値(住宅ローン残高を超える価値分)などがあります。住宅ローン特則で自宅を残す場合でも、不動産の価値がローン残高を上回っていれば、その差額は清算価値に計上され、弁済額を押し上げます。
財産が多い方は個人再生が不利になることも
清算価値が大きいと、「減額されたはずなのに返済額があまり減らない」という結果になり得ます。どの手続が経済的に合理的かは、財産の評価を含めた専門的な検討が必要です。住宅ローン付きの自宅を残したい場合や資格制限を避けたい場合を除けば、自己破産の方が適しているケースも少なくありませんので、弁護士にご相談ください。
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広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。破産・債務整理事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、税務・登記を含めた多角的な視点から、依頼者の生活再建にとって最善となる解決を目指すことを信念としています。
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年4月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年4月 神奈川県弁護士会常議員
共著書:『遺留分の法律と税務』(第9章 遺留分の放棄の一部)


