「親や友人に保証人になってもらった借金がある…」
「自分が自己破産をすることで、大切な人に迷惑をかけたくない…」
借金問題の解決を決意する上で、保証人、特に「連帯保証人」の存在は、最も胸が痛む、そして最も慎重な対応が求められる問題です。ご自身の再スタートのために、信頼してくれた方を犠牲にしてしまうのではないかという恐怖は、手続きをためらわせる大きな原因となります。
結論から申し上げますと、あなたが自己破産をして借金の支払いを免れても、連帯保証人の支払義務はなくなりません。それどころか、債権者は、残った借金全額を連帯保証人に対して「一括で」請求してきます。
この記事では、なぜ連帯保証人にこのような厳しい結果が及ぶのか、その法的な仕組みと、あなたが手続きを開始する前に絶対にすべきことについて、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。
連帯保証人の「重い責任」の正体
まず、「保証人」と「連帯保証人」は似ているようで、法律上の責任が全く異なります。連帯保証人は、単なる保証人とは比較にならないほど重い責任を負っています。
法律上、連帯保証人は「主債務者(お金を借りた本人)と全く同じ立場で返済義務を負う」と定められています。つまり、債権者から見れば、あなたと連帯保証人は「二人一組の債務者」のようなものです。債権者は、あなたの返済能力にかかわらず、いつでも連帯保証人に返済を求めることができます。
自己破産が連帯保証人に及ぼす「3つの影響」
あなたが自己破産の手続きを開始すると、連帯保証人には以下の流れで深刻な影響が及びます。
① 借金の支払義務が「連帯保証人」に移る
裁判所からあなたに「免責許可決定」が下りても、その効果はあなた個人に限定されます。保証契約は、あなたと債権者の契約とは別の、連帯保証人と債権者の間の独立した契約です。そのため、あなたが免責されても、連帯保証人の保証義務はなくなりません。
② 債権者から「一括請求」が届く
あなたが弁護士に依頼し、弁護士が債権者に受任通知を送付した時点で、あなたは「期限の利益」を喪失し、法的に分割払いができない状態になります。これを受け、債権者は直ちに、連帯保証人に対し、残っている借金全額(元金+利息・遅延損害金)を一括で支払うよう請求してきます。
これまで分割で支払ってきた借金が、ある日突然、数百万円単位の一括請求として降りかかってくるのです。
③ 連帯保証人も債務整理を迫られる
突然、数百万円もの一括請求に対応できる方はほとんどいません。その結果、連帯保証人となってくれたご家族やご友人も、自己破産や個人再生といった債務整理の手続きをせざるを得なくなる可能性が極めて高くなります。つまり、あなたの借金問題が、そのまま連帯保証人に転移してしまうのです。
【絶対に守るべきこと】手続きの前に、必ず保証人と話し合う
連帯保証人がいる場合の自己破産で、絶対にやってはいけないこと。それは、連帯保証人に何も告げずに、手続きを開始してしまうことです。
ある日突然、債権者から一括請求の督促状が届けば、連帯保証人の方はパニックに陥り、あなたとの信頼関係は完全に崩壊してしまうでしょう。
弁護士に相談する前に、まず保証人に話すべきこと
- ご自身の経済状況が限界であり、自己破産を考えていることを正直に話す。
- 自己破産をすると、迷惑をかけてしまう(一括請求がいく)ことを誠心誠意、謝罪する。
- 連帯保証人の方にも、今後の対応について専門家(弁護士)に相談する必要があることを伝える。
大変つらい話し合いになりますが、これはあなたが果たさなければならない最低限の誠意です。ご希望であれば、当事務所の無料相談に、連帯保証人の方と一緒に来ていただくことも可能です。弁護士から、中立的な立場で法的な状況と、連帯保証人の方が取りうる選択肢についてご説明いたします。
保証人に迷惑をかけないための他の選択肢は?
もし、どうしても保証人に迷惑をかけられない事情がある場合、「任意整理」という手続きが選択肢になることがあります。任意整理は、整理する借金を選ぶことができるため、保証人が付いている借金だけは除外して、これまで通り返済を続ける、という方法が可能です。ただし、それ以外の借金を整理した上で、保証付きの借金を返済し続けられるだけの安定した収入があることが条件となります。
当事務所は、皆様の複雑な自己破産・債務整理問題を解決するために、他にはない強みを持っています。
①1972年創立、所属弁護士数約100名の実績と経験
1972年の創立以来、半世紀にわたり数多くの破産・債務整理案件を手掛けてまいりました。約100名の弁護士が所属しており、それぞれの事案で蓄積された豊富な判例知識と実務経験を基に、ギャンブルや浪費が原因の借金等の困難事情でも最適な解決策をご提案します。
②税理士・司法書士有資格の弁護士が対応
破産問題、特に不動産や多額の財産が関わるケースでは、税務の視点が欠かせません。当事務所横須賀支店には、税理士・司法書士有資格の弁護士が在籍しています。法務と税務、登記の全方面から多角的なアドバイスをして最善の解決を目指します。
③ 報酬分割支払前でも速やかな対応
多くの法律事務所では、報酬支払後に手続を行いますが、当事務所では、報酬支払い前でも内部審査で問題が無ければ速やかに手続を進めます。
自己破産・債務整理にお困りの方は虎ノ門法律経済事務所にご相談ください。