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破産手続き中の海外出張は可能か?仕事への影響と注意点を弁護士が解説

借金の返済が困難になり破産手続きを検討しているものの、「仕事で海外出張があるかもしれない」「破産したら海外に行けなくなるのでは?」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に、業務で海外渡航が必須の場合、手続きによってキャリアに支障が出ることは避けたいものです。

実際のところ、破産手続き中に海外出張が制限されるかどうかは、破産手続きの種類(同時廃止か管財事件か)によって異なります。無用なトラブルを避け、仕事を継続しながら手続きを進めるための正しい知識が必要です。

この記事では、破産手続き中の海外出張の可否、必要な手続き、注意点について、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。

破産手続きの種類によって扱いは異なる

破産手続きには、大きく分けて「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類があり、海外渡航(出張)に関する扱いは、どちらの手続きになるかによって大きく異なります。

1. 同時廃止事件の場合

同時廃止事件は、破産管財人が選任されず、破産手続開始決定と同時に手続きが終了(廃止)する簡易的な手続きです。これは、債権者に配当するほどの財産がないことが明らかな場合に適用されます。

同時廃止事件の場合、法律上、海外渡航(出張)に関する制限はありません。

破産手続開始決定後であっても、裁判所の許可なく海外出張に行くことが可能です。ただし、手続きの進行上、裁判所での免責審尋(裁判官との面談)や、代理人弁護士との重要な打ち合わせが設定される場合があります。これらの日程と出張が重ならないよう、事前に弁護士とスケジュールを緊密に調整することが重要です。

2. 管財事件の場合

管財事件は、破産管財人が選任され、破産者の財産を調査・管理・換価し、債権者に配当する手続きです。一定以上の財産(不動産、高額な保険、退職金など)がある場合や、借金の原因(ギャンブルや浪費)に調査が必要な場合、個人事業主や会社経営者の場合などに適用されます。

管財事件の場合、破産者は破産手続開始決定から破産手続終結決定までの間、裁判所の許可なく居住地を離れることができません(破産法第37条1項)。

これには、国内の旅行だけでなく、海外出張も含まれます。したがって、海外出張に行くには、事前に裁判所の許可を得る必要があります。

なぜ管財事件では海外出張に許可が必要なのか?

管財事件において海外渡航が制限される主な理由は、破産管財人の業務(管財業務)に支障をきたすことを防ぐためです。

破産者には、自身の財産状況について破産管財人や裁判所に説明する義務(説明義務)があります(破産法第40条)。また、破産管財人は、破産者宛の郵便物を転送してもらい、財産の手がかりがないか調査することもあります。

もし破産者が自由に海外へ長期間渡航してしまうと、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 管財人からの問い合わせや調査への対応が遅れる
  • 財産隠しや逃亡を疑われる
  • 債権者集会などの重要な手続きに出席できない

こうした事態を防ぎ、管財業務を円滑に進めるために、裁判所は破産者の居住地(移動)を一時的に制限し、許可制としています。

無断で海外出張した場合のペナルティ

管財事件において、裁判所の許可を得ずに無断で海外出張(海外渡航)をした場合、極めて重大なペナルティが科される危険性があります。

無断渡航は、破産管財人の職務を妨害する行為(破産法第252条1項3号)や、説明義務違反(同項8号)とみなされる可能性があります。

無断海外出張は、最悪の場合、裁判所が借金の免除(免責)を認めないという判断を下すリスクがあります。借金をゼロにするために破産したにもかかわらず、それが認められなくなるのは致命的です。絶対に無断渡航はしてはいけません。

弁護士に依頼後、申立て前の海外出張は?

弁護士に破産を依頼し、受任通知(介入通知)を債権者に送付した後、まだ裁判所に破産申立てを行う前の段階であれば、法律上の渡航制限は一切ありません。

したがって、このタイミングでの海外出張は可能です。

ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 弁護士費用の積立中や申立て準備中に長期間不在にすると、その分、裁判所への申立てが遅れます。
  • 申立てが遅れれば、それだけ借金問題の根本的な解決も先延ばしになります。
  • 出張費用が会社経費ではなく自己負担であり、その支出が(特に高額な場合)財産を不当に減少させる行為(費消)とみなされると、後の破産手続き(特に免責判断)で不利になる可能性もゼロではありません。

申立て前に出張の予定がある場合も、必ず事前に弁護士に相談し、スケジュールや費用負担について問題がないか確認しておきましょう。

まとめ

破産手続き中の海外出張は、手続きの種類によって可否が異なります。

  • 同時廃止事件:原則として自由に可能(ただし事前に弁護士に連絡したり日程調整は必要)。
  • 管財事件:裁判所の許可が必須。

管財事件であっても、業務上の出張であれば、事前に弁護士を通じて適切に申請し、管財業務に支障が出ないよう調整すれば、許可が下りるケースがほとんどです。

「出張があるから破産できない」と諦める必要はありませんが、「無断で行ってもバレないだろう」と安易に考えるのは非常に危険です。海外出張の可能性がある方は、破産手続きの経験が豊富な弁護士に早めに相談し、仕事への影響を最小限に抑える進め方を計画することが重要です。


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1972年の創立以来、半世紀にわたり数多くの破産・債務整理案件を手掛けてまいりました。約100名の弁護士が所属しており、それぞれの事案で蓄積された豊富な判例知識と実務経験を基に、ギャンブルや浪費が原因の借金等の困難事情でも最適な解決策をご提案します。

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借金の問題は、一人で抱え込まずに専門家に相談することが解決への第一歩です。当事務所では、破産手続きに関するご相談を幅広く受け付けております。海外出張の予定がありご不安な方も、まずは一度、お気軽にご相談ください。

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この記事の執筆者
弁護士法人TLEO 虎ノ門法律経済事務所横須賀支店 横須賀支店長・パートナー弁護士・税理士 中村 賢史郎
保有資格弁護士、税理士、司法書士有資格
専門分野破産事件・不動産事件・相続事件・離婚事件を主に取り扱う
広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。相続事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、多角的な視点から依頼者の最善となるような解決を目指すことを信念としています。
経歴広島大学法学部夜間主卒業
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員