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破産手続き中に結婚・離婚は可能か?配偶者への影響と財産分与の注意点

借金問題の解決のために自己破産を検討している、または既に手続きの最中というタイミングで、結婚や離婚といった人生の大きな転機を迎えることがあります。

「破産手続き中に結婚したら、相手(配偶者)の財産も差し押さえられてしまうのでは?」
「破産と同時に離婚も考えているが、財産分与はどうなる?」
「そもそも手続き中にそんなことをして、破産が認められなくなるのでは?」

このようなお悩みを横須賀・逗子葉山・三浦エリアのお客様からご相談されることもあります。このような大きな不安を抱える方は少なくありません。結論から言えば、手続き中の結婚や離婚は法律上「可能」です。しかし、特に「離婚時の財産分与」には重大な注意点があり、一歩間違えると破産手続きそのものに大きな影響を及ぼすリスクさえあります。

この記事では、破産手続き中の結婚・離婚が手続きに与える影響、配偶者の財産や借金の扱い、そして絶対に避けるべき注意点について、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。

破産手続き中の「結婚」について

自己破産の手続き中であっても、結婚すること自体に法律上の制限はありません。裁判所や破産管財人(管財事件の場合)の許可を得る必要もありません。

ただし、結婚は生活状況が大きく変わる重大な出来事ですので、必ず代理人の弁護士に報告しましょう。

これは、世帯の収入や支出(家計収支)が変動するため、破産者の経済状況を正確に把握する必要があるからです。

結婚相手(配偶者)への影響は?

破産手続き中に結婚した場合、多くの方が「相手に迷惑がかかるのでは」と心配されますが、原則として以下のように整理されます。

1. 結婚相手の「借金」について
あなたが破産するからといって、あなたの借金の支払い義務が、結婚相手(配偶者)に移ることは一切ありません。(※相手が連帯保証人になっている場合は除く)

2. 結婚相手の「財産」について
結婚相手が結婚前から持っていた財産や、結婚後に相手自身の収入で得た財産(これらを「特有財産」といいます)が、あなたの破産によって差し押さえられたり、処分されたりすることも一切ありません。

ただし、注意点として、破産手続き中はご自身の財産と配偶者の財産を明確に分けて管理することが重要となります。例えば、配偶者の預金をあなたの口座に移すなど、財産が混在しているとみなされると、破産管財人(管財事件の場合)の調査対象となり、配偶者にも説明の負担をかけてしまう可能性があります。

破産手続き中の「離婚」について

結婚と同様に、破産手続き中に離婚すること自体も法律上は可能です。しかし、離婚には「財産分与(ざいさんぶんよ)」という極めて重大な問題が伴います。この財産分与の扱いが、破産手続きに深刻な影響を与える可能性があります。

破産手続きにおける財産分与の扱い

財産分与とは、離婚に際し、夫婦が結婚生活中に協力して築いた共有財産(預貯金、不動産、生命保険など)を公平に分け合うことです。

破産決定前に離婚し、財産分与を行った(または、これから行う)場合、その内容は裁判所および破産管財人(管財事件の場合)によって厳しくチェックされます。

  • 財産分与として「財産を受け取った」場合
    あなたが受け取った財産(例:元配偶者から受け取った現金100万円、不動産の持分など)は、あなたの「財産」として破産財団(債権者への配当原資)に組み込まれます。原則として、管財人によって換価・処分されます。
  • 財産分与として「財産を渡した」場合
    これが最も注意が必要なケースです。

最大の注意点:「不相当な財産分与」と「財産隠し」

もし、あなたが「相手に迷惑をかけたくない」「どうせ破産で取られるなら渡してしまおう」といった考えから、本来あなたがもらえるはずの財産を放棄したり、不当に少ない取り分で合意したり、あるいは相場以上の財産を相手に渡したりした場合、その行為は債権者を害する「財産隠し」または「詐害行為(さがいこうい)」とみなされます。

例えば、夫婦の共有財産が400万円あり、本来200万円ずつ分けるべきところを「自分は破産するから」と相手に400万円すべてを渡すような合意をすることです。

このような「不相当な」財産分与が発覚した場合、破産管財人は「否認権(ひにんけん)」という強力な権利を行使し、その財産分与の合意を法的に取り消し、相手(元配偶者)から財産を取り戻すことができます。これにより、元配偶者をかえって大きなトラブルに巻き込むことになります。

さらに、このような行為が悪質な財産隠しと判断された場合、破産者本人には「免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)」に該当するとして、借金の免除が一切認められない(=破産が失敗する)という最悪の結末を迎えるリスクがあります。

養育費・慰謝料の扱いは?

  • 支払う側の場合
    養育費や(悪意に基づく)慰謝料の支払い義務は「非免責債権」といい、自己破産をしても免除されません。破産後も支払い続ける必要があります。
  • 受け取る側の場合
    養育費は、原則として「子のための財産」であり、破産者の財産とはみなされず、差し押さえの対象とはなりません。ただし、高額な慰謝料を一時金で受け取った場合などは、財産として扱われる可能性があります。

離婚が絡むと「管財事件」になる可能性が極めて高い

自己破産には、簡易な「同時廃止事件」と、破産管財人が選任される「管財事件」があります。

手続き中(または直前)に離婚と財産分与が関係する場合、裁判所は「その財産分与が適正であったか」「財産隠しがないか」を詳細に調査する必要があります。この調査は破産管財人にしかできません。

したがって、離婚(財産分与)が絡むケースでは、たとえ他に目立った財産がなくても、「管財事件」になる可能性が高いといえるでしょう。管財事件は、同時廃止に比べて裁判所に納める費用(予納金)も高額(最低20万円~)になります。

自己判断は危険!必ず「事前」に弁護士に相談を

破産手続き中の結婚、特に離婚は、ご自身の判断で進めてしまうと取り返しのつかない事態を招く危険があります。

「離婚協議書(財産分与契約書)にサインする前」に、必ず代理人の弁護士に相談してください。弁護士に相談すれば、どの程度の財産分与であれば「相当な範囲内」として法的に認められるか、破産手続きに悪影響を与えない進め方(例えば、破産手続きの終結を待ってから離婚届を出すなど)をアドバイスできます。

破産手続きと身分上の問題が重なり、どうすればよいか分からないという方は、決して一人で悩まず、すぐに専門家にご相談ください。

まとめ

破産手続き中の結婚や離婚は法律上可能ですが、対応を誤ると大きなリスクが伴います。

  • 結婚:制限はないが、弁護士への「報告」が必須。配偶者の借金や財産が自動的に影響を受けることはないが、財産の管理は明確に分けるべき。
  • 離婚:最大の注意点は「財産分与」。不当な財産放棄や過大な分与は「財産隠し」とみなされ、管財人による否認や、最悪の場合「免責不許可」となるリスクがある。

人生の重要な岐路で法的に不利な選択をしないためにも、必ず手続きを依頼している弁護士、または破産実務に精通した弁護士に事前にご相談ください。


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この記事の執筆者
弁護士法人TLEO 虎ノ門法律経済事務所横須賀支店 横須賀支店長・パートナー弁護士・税理士 中村 賢史郎
保有資格弁護士、税理士、司法書士有資格
専門分野破産事件・不動産事件・相続事件・離婚事件を主に取り扱う
広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。相続事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、多角的な視点から依頼者の最善となるような解決を目指すことを信念としています。
経歴広島大学法学部夜間主卒業
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員