「借金問題は解決したい。でも、保証人になってくれた親や友人だけには、絶対に迷惑をかけられない…」
「自分が自己破産をしたら、保証人の人生まで壊してしまうのではないか…」
借金問題の中でも、保証人の存在は、手続きを進める上で最も心を痛める問題です。信頼してくれた方を裏切るような形になることへの罪悪感から、解決への一歩を踏み出せない方も少なくありません。
保証人に一切影響を出さない最も確実な方法は、保証人が付いている借金は手続きの対象から外し、これまで通り返済を続けながら、他の借金のみを「任意整理」で解決することです。しかし、それが難しい場合でも、影響を最小限に抑える方法はあります。
この記事では、保証人に迷惑をかけないための最善の選択肢と、自己破産が避けられない場合の次善の策について、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。
【最善の選択肢】任意整理で「保証人のいる借金」を対象から外す
あなたが「保証人に迷惑をかけないこと」を最優先事項とするならば、検討すべきは自己破産ではなく「任意整理」という手続きです。
任意整理は、裁判所を介さず、弁護士が債権者と直接交渉して、将来利息のカットや無理のない分割返済計画を合意する手続きです。自己破産がすべての債権者を対象とするのに対し、任意整理はどの債権者と交渉するかを選ぶことができます。
この特性を利用し、
- 保証人が付いているA社の借金:手続きの対象から外し、これまで通り返済を続ける。
- 保証人がいないB社、C社のカードローン:弁護士が交渉し、将来利息をなくして長期の分割払いにしてもらう。
という方法を取ることで、保証人には一切知られることなく、また迷惑をかけることなく、借金全体の負担を軽減することが可能です。
ただし、この方法には「保証人が付いている借金を返済し続けられるだけの安定した収入」が不可欠です。まずはご自身の収支状況で任意整理が可能かどうか、弁護士にご相談ください。
自己破産が避けられない場合の「次善の策」
借金の総額が大きすぎる、あるいは収入が不安定で任意整理では解決できない場合、自己破産を選択せざるを得ません。その場合、保証人に一括請求がいくことは避けられませんが、その衝撃を和らげ、被害を最小限に抑えるために打てる手はあります。
① 事前に正直に伝え、保証人も専門家に相談する
保証人にとって最も辛いのは、ある日突然、債権者から数百万の一括請求書が送りつけられることです。絶対に、手続きを始める前に、保証人の方に直接会って、正直に事情を話し、謝罪してください。
そして、「近いうちに、あなたのもとに金融機関から一括請求がいくことになる。あなたの生活を守るためにも、すぐに弁護士に相談してほしい」と、次の行動を促すことが重要です。ご希望であれば、弁護士が同席し、保証人の方の状況でどのような解決策(分割交渉や、保証人自身の債務整理など)が取れるのかをご説明することも可能です。
② 第三者による代位弁済
もし、保証人以外の親族など、経済的に協力してくれる第三者がいる場合、その方に保証人が付いている借金だけを一括で返済してもらう(代位弁済)という方法があります。その借金自体がなくなれば、保証人の義務も消滅します。その後、あなたは残りの借金について自己破産の手続きを進めることができます。
保証人問題でよくある質問(Q&A)
- Q. 保証人が付いている借金だけ、先に自分で完済してもいいですか?
- A. いいえ、絶対にやめてください。破産直前に特定の債権者にだけ返済する行為は「偏頗弁済(へんぱべんさい)」という重大な禁止行為です。これが発覚すると、あなたの自己破産が認められなくなる(免責不許可)可能性があります。
- Q. 奨学金の保証人になっている親はどうなりますか?
- A. 奨学金も他の借金と同様です。あなたが自己破産をすれば、保証人であるご両親に、残額の一括返済が請求されます。奨学金の場合、保証人がご両親であることがほとんどであるため、特に慎重な対応が必要です。事前に必ず話し合い、場合によってはご両親も債務整理を検討する必要があります。
保証人の問題は、法律だけでなく、人間関係が深く関わる問題です。最善の解決策を見つけるため、一人で抱え込まず、まずは弁護士にご相談ください。
当事務所は、皆様の複雑な自己破産・債務整理問題を解決するために、他にはない強みを持っています。
①1972年創立、所属弁護士数約100名の実績と経験
1972年の創立以来、半世紀にわたり数多くの破産・債務整理案件を手掛けてまいりました。約100名の弁護士が所属しており、それぞれの事案で蓄積された豊富な判例知識と実務経験を基に、ギャンブルや浪費が原因の借金等の困難事情でも最適な解決策をご提案します。
②税理士・司法書士有資格の弁護士が対応
破産問題、特に不動産や多額の財産が関わるケースでは、税務の視点が欠かせません。当事務所横須賀支店には、税理士・司法書士有資格の弁護士が在籍しています。法務と税務、登記の全方面から多角的なアドバイスをして最善の解決を目指します。
③ 報酬分割支払前でも速やかな対応
多くの法律事務所では、報酬支払後に手続を行いますが、当事務所では、報酬支払い前でも内部審査で問題が無ければ速やかに手続を進めます。
自己破産・債務整理にお困りの方は虎ノ門法律経済事務所にご相談ください。