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「あと一回だけ」「次こそはレアキャラが出るはず」。ソーシャルゲームやオンラインゲームの「ガチャ」やアイテム課金は、その手軽さと射幸性の高さから、つい夢中になってお金をつぎ込んでしまいがちです。最初は少額のつもりでも、気づけばクレジットカードのリボ払いが膨れ上がり、借金をしてまで課金を続ける「課金地獄」に陥ってしまう方が急増しています。

このようなゲーム課金による借金は、自己破産で解決できるのでしょうか。「これは自分の浪費やギャンブルが原因だから、破産は無理なのでは…」と一人で思い悩んではいませんか。結論として、ゲーム課金が原因の借金であっても、正しい手順を踏めば自己破産できる可能性は十分にあります。この記事では、そのための具体的な方法と、弁護士の役割について、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。

ゲーム課金は「浪費」かつ「射幸行為」。破産の最大の壁に

自己破産の手続きでは、借金の原因が「免責不許可事由」に該当する場合、原則として借金の免除（免責）が認められません。そして、ゲームへの過度な課金は、この免責不許可事由の代表格である2つの項目に同時に該当する可能性があります。

• 浪費：生活に必要不可欠とはいえないデジタルデータに対し、収入に見合わない多額のお金を使うことは「浪費」と判断されます。
• 射幸行為：何が出るかわからない「ガチャ」にお金をつぎ込む行為は、パチンコや競馬などと同じ「射幸行為（ギャンブルに類する行為）」とみなされます。

このように、ゲーム課金は自己破産において最も厳しい目で見られるケースの一つであることは、まず理解しておく必要があります。

9割以上が救済される「裁量免責」と、そのためにすべきこと

では、ゲーム課金が原因だと絶対に破産できないのかというと、決してそうではありません。免責不許可事由があっても、裁判所が本人の反省の態度や更生の意欲などを考慮し、その裁量によって免責を許可する「裁量免責」という制度があります。実務上、浪費やギャンブルが原因のケースでも、この裁量免責によってほとんどの方が最終的に借金を免除されています。

裁量免責を得るために、あなたがすべきことは、決して難しいことではありません。

1. 自分の行為を真摯に反省する：「自分の弱さから課金を止められなかった」という事実を認め、反省している姿勢を示すことが最も重要です。
2. 正直にすべてを話す：弁護士や裁判所に対し、借金の経緯や課金の事実を正直に、隠さず話すことが誠実な対応とみなされます。
3. 経済的更生への意欲を示す：原因となったゲームアプリを削除する、家計簿をつけて収支管理を始めるなど、生活を立て直すための具体的な行動を起こすことが求められます。

これらのあなたの姿勢を、弁護士が法的な視点から整理し、裁判所に説得的に伝えることで、裁量免責を得る道が開かれます。

弁護士のサポートが不可欠な「管財事件」

ゲーム課金のように免責不許可事由が明らかなケースでは、裁判所が「破産管財人」を選任し、借金の経緯などを詳しく調査する「管財事件」という手続きになります。これは、ご自身一人で対応するにはハードルが非常に高い、複雑な手続きです。

弁護士に依頼することで、破産管財人との面談に同席し、あなたの代理人として状況を的確に説明するなど、手続き全体をスムーズに進めることができます。裁量免責を得るためには、弁護士のサポートが不可欠と言えるでしょう。

自己破産・債務整理にお困りの方は虎ノ門法律経済事務所にご相談ください。

ゲーム課金による借金は、誰にでも起こりうる問題です。「自分のせいだ」と一人で責め続け、借金地獄の中で苦しむ必要はありません。過去の行為を反省し、人生をやり直したいという強い意志があれば、自己破産という道は必ず開かれます。まずはその第一歩として、私たち専門家にご相談ください。