ギャンブル依存症からの完全回復~自己破産で人生再建を果たした事例

ご相談の背景
今回ご相談いただいたのは、40代の会社員の男性です。長年にわたりパチンコや競馬などのギャンブルにのめり込み、複数の消費者金融やカード会社から借金を重ねてしまいました。その結果、債務総額は約650万円、債権者は8社にまで膨れ上がっていました。
当時の月収は約25万円でしたが、返済額が月々約18万円にも及び、収入のほとんどが返済に消えていくという、まさに自転車操業の状態でした。生活は極度に困窮し、精神的にも追い詰められた結果、ご家族との関係も悪化。ついには、うつ病を発症してしまうという深刻な状況で、当事務所の扉を叩かれました。
ご相談者様の状況(まとめ)
年代 | 40代 |
---|---|
性別 | 男性 |
職業 | 会社員 |
借金の理由 | パチンコ・競馬等のギャンブル依存症 |
弁護士の対応と解決結果
ご相談者様の状況を丁寧にお伺いし、生活再建のためには「自己破産」の手続きが最善であると判断しました。しかし、借金の主な原因がギャンブルである場合、裁判所から免責(借金の支払義務を免除すること)が認められない可能性(免責不許可事由)がありました。
そこで当事務所では、自己破産の申立て準備と並行して、ご本人にギャンブル依存症の専門治療を受けていただくことを強くお勧めし、サポートいたしました。ご本人も人生をやり直したいという強い意志をお持ちで、真摯に治療に取り組まれました。
手続きは、財産状況や免責不許可事由の調査のため、裁判所が破産管財人を選任する「管財事件」として進行しました。当事務所の弁護士は、ご本人が作成した深い反省の意を示す反省文を提出するとともに、専門治療を継続し、二度とギャンブルに手を出さないという固い決意と具体的な行動を裁判所に丁寧に説明しました。
その結果、裁判所はご本人の真摯な反省と更生の努力を認め、無事に免責許可決定が下りました。これにより、約650万円あった借金はすべてゼロになり、ご家族との関係も修復。現在は経済的にも精神的にも安定した生活を取り戻されています。
債務整理前後の比較
項目 | 債務整理前 | 債務整理後 |
---|---|---|
借金総額 | 約650万円 | 0円 |
月々の返済額 | 約18万円 | 0円 |
本事例のポイント:ギャンブルが原因でも自己破産は可能です
「ギャンブルで作った借金は自己破産できない」と思われている方は少なくありません。確かに、ギャンブルは法律上、免責不許可事由と定められています。
しかし、本事例のように、ご本人が深く反省し、依存症の治療に取り組むなど、生活再建に向けた具体的な行動を示し、その状況を弁護士が裁判所に的確に伝えることで、裁判所の裁量により免責が認められる可能性は十分にあります。
借金の理由がギャンブルであっても、決して諦める必要はありません。一人で抱え込まず、まずは専門家である弁護士にご相談ください。当事務所では、ご依頼者様の人生再建に向けて、誠心誠意サポートいたします。

広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。相続事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、多角的な視点から依頼者の最善となるような解決を目指すことを信念としています。
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員